SDGsとは?簡単に解説!【シンプル理解】

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みなさん、最近よく聞く「SDGs」について調べて見たけど、意味とか定義とかよくわからないと思ったことはないですか?

この記事では、「SDGs」の意味と定義を17個の目標全てで解説します。

では早速本題です。

SDGsとは?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの頭文字をとった名称で、「持続可能な開発目標」という意味です。

そもそもは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて決定された国際目標のことです。

17のゴールと169のターゲットから構成されていて、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

SDGsの17の目標

「貧困をなくそう」

「貧困をなくそう」のゴール(目標)はあらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせるです。

その中でも、ターゲットが7つ設定されていて、具体的なものは

『2030 年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。』

『2030 年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。』

が挙げられます。

1.25ドルとは、2020年8月現在で日本の円に換算すると、132.24円になります。
この1.25ドル(132.24円)未満で生活している人の人数は世界中に7億3600万人いるとされていて、世界人口のうち約10%となります。

貧困率自体は、1990年と2015年を比較すると36%→10%まで減少しています。
ですが、今でも先進国に約3000万人の子どもが貧困の中、暮らしています。

貧困の原因として

失業、疾病、ケガ、離婚、紛争、内戦、災害、教育問題、社会的孤立

などが挙げられます。

「飢餓をゼロに」

ゴール:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

ゴールを達成するための8個のターゲットのうちで、1つあげると

『2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。』

ということです。

現在、飢餓に悩まされる人々の人数は8億人と言われています。世界の約9人に1人は飢餓状態であるということになります。

このままいくと、西暦2100年には人口が約112億人になるという予想に対して、20億人が飢餓に苦しむ計算になるそうです。

飢餓の原因は何でしょうか。人口に対して、食料自給が追いついていないのが原因でしょうか。
実は、世界規模で考えると食料は余っています。

穀物で考えると、一人あたりに必要な穀物の摂取量は、年間で165kgが必要です。ですが、一人あたり年間で333kg摂取できるほどの穀物が生産されているそうです。約2倍です。
つまり、食べられる物を捨てていることや、余った物を飢餓で苦しむ人たちに届けられていないことが飢餓の原因と考えられます。

食べれれる食品を捨ててしまう(食品ロス)量は日本で年間646万トンあります。ですが、食品を援助するために送られている量は320万トンしかありません。

「すべての人に健康と福祉を」

ゴール:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

13個あるターゲットのうち、主な具体例は以下です。

『2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。』

『すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以 下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。

世界には、ワクチンや予防接種などの基本的な医療サービスを受けられない人びとが約36億人いると言われています。世界人口の半数です。

5歳になる前になくなってしまう子どもたちは年間で560万人いるとされていて、その8割がアフリカの子どもたちです。

「質の高い教育をみんなに」

ゴール:すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する

10個のテーマが設けられている中で、具体例を挙げると

『2030 年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

『2030 年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。』

もしも、質の高い初等教育及び中等教育を全ての人々が受けることができれば、収入の増加、それに関係して死亡率の低下や発育阻害の予防になります。結果的に貧困からの脱出に繋がると考えられています。

教育が受けられない理由としては、

学校数が少ないこと、教師数が足りない、学校に通うお金がないのと付随して働く必要があり余裕がない、戦争や紛争に巻き込まれている。

などです。

「ジェンダー平等を実現しよう」

ゴール:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

9個のターゲットが設定されている中で、具体例をあげると

『あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。』

『政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。』

などが挙げられます。

いまだに世界各国で、女性の平均年収であったり企業における役員・幹部クラスの割合等が男性よりも少ないという状況が続いています。日本でも長い間、課題では有りましたが、解決には至っていません。

ユニセフが2018年に公表したデータでは、年間1200万人の18歳未満の女性が強制的に結婚させられています。

女性の立場がいまだ平等ではない制度や文化が根強く残っており、改善に向けての努力が世界規模で必要となります。

「安全な水とトイレを世界中に」

ゴール:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管 理を確保する

8個のターゲットが設定されていて、

『2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。』

『2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。』

などがあります。

日本のように水道水がしっかりと衛生管理されていない「汚染水」を日常で摂取している人の割合は、世界の人口の40%と言われています。

トイレや公衆便所を利用できない人は24億人いるとされています。

衛生的にも危険にさらされているので、病気にかかるリスクも上がりますし、伝染病などのウイルスに感染してしまうリスクも高いです。

「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

ゴール:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的 エネルギーへのアクセスを確保する

5個のターゲットが設定されています。

『2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。』

『2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。』

などが挙げられます。

今現在、世界中で有害なエネルギー(石炭、木炭、糞、薪)が盛んに使用されています。
人体に害があるだけでなく、地球温暖化の原因にもなる「温室効果ガス」(二酸化炭素、メタン、フロンなど)が排出されてしまいます。

また、様々な燃料に使われる石油は、このままのペースでは約40年分しか持たないとされています。

クリーンエネルギーは

太陽光発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電、海洋発電

などが挙げられます。

どれも資源が枯渇することはなく、有害物質を排出することは有りません。

「働きがいも経済成長も」

ゴール:包摂的かつ持続可能な経済成⻑及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用 (ディーセント・ワーク)を促進する

ディーセント・ワーク:権利が保護され、十分な収入を生み、適切な社会保護が供与された生産的仕事

12個のターゲットが設定されています、

『2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。』

『各国の状況に応じて、一人当たり経済成⻑率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成⻑率を保つ。

『移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。』

などが挙げられます。

雇用が足りなければ、地域の経済を支えることができませんし、生活に困窮する人が増えてしまいます。

日本でも生産年齢人口(15歳〜64歳)の人数はどんどん減ってきています。
特にアフリカでは今後、必要となる生産年齢人口の数が増えていく一方だとされていて、雇用の創出と人材が必要になります。

「産業と技術革新の基盤をつくろう」


ゴール:強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノべーションの推進を図る

インフラとは、日常で不可欠な水道や道路、ガス、水道、インターネットなどです。
レジリエントなインフラ」とは、わかりやすくいうと「素早く元の状態に戻れるインフラ」と言えます。

8個のターゲットが設定されていて、具体的なものは

『包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。』

『特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。』

などが挙げれます。

安定的な電力供給を受けられない人の数は約26億人。基本的な衛生施設を利用できない人の数は25億人とされています。
また、水資源にアクセスできない人は8億人いるとされており、まだ世界には基本的なインフラを必要とする人が大勢います。

「人や国の不平等をなくそう」


ゴール:各国内及び各国間の不平等を是正する

10個のターゲットが設定されています。
具体的には、

『2030年までに、各国の所得下位40%の所得成⻑率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。』

『2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。』

『地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。』

などがあります。

「国際協力団体オックスファム」の報告書によると、世界でもっとも豊かな上位8名が世界人口の約半分の36億人分の資産を持っていると言われています。

1日に2ドル以下の生活を貧困と定義しますが、世界中で約10人に一人が1日に2ドル以下の生活をしています。

富や豊かさを持たざる者の意見や考え方が反映されにくい社会構造を変えていく必要が有ります。

「住み続けられるまちづくりを」

ゴール:包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

10個のターゲットが設定されています。具体的なものは、

『2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。』

『2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。』

『世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。』

などです。

世界の都市部(都心)に生活している人の数は約35億人と言われています。(全人口の約半分)

さらに、この数が2030年には世界人口の3分の2(60%)が都市部で生活するという予測されています。

都市部はインフラが整っていたり、学校や居住地など、生活のしやすい場所ではあります。

しかし、都市部に人口が極端に集中してしまうと、災害が起きた時の救助が困難または災害の危機から逃れ辛くなります。

また、スラム(公共サービスが受けられないような地域)は都心部にできてしまいます。理由は貧富の差が原因です。

日本でも東京などの都心部に人口が極端に多いため、地域移住や地方での起業、ふるさと納税などいくつもの対策を実行している段階です。

「つくる責任つかう責任」

ゴール:持続可能な生産消費形態を確保する

11個のターゲットが設定されています。

『開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、すべての国々が対策を講じる。』

『2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。』

『2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。』

などが具体例です。

世界の人口は、2000年が約61億人→2050年は約96億人
人口に対しての食料消費量は、2000年が約45億トン→2050年は約69億トン

にまで達すると言われており、飢餓に苦しむ人々の数は、今の2.5倍の20億人に達するとされています。

私たちが生活でできることとしては、

食品の無駄買いを減らすこと、消費期限と賞味期限をしっかりと判別し、賞味期限が切れていても捨てずに消費すること

などが挙げられます。

「気候変動に具体的な対策を」


ゴール:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

5個のターゲットが設定されていて、

『すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。』

『気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。』

『気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。』

などが挙げられます。

2015年にパリで開かれた国際会議「COP21」(パリ協定)では

「世界的な平均気温上昇を産業革命前(1880年)に比べて2℃以下に抑えることを目標とし、1.5℃以下に抑制することを努力目標とする」

という具体的な温暖化への目標が掲げられています。

現実には
長期目標2℃ラインまであと  1.15℃
努力目標1.5℃ラインまであと 0.65℃

上記の数値分は余裕があります。ですが、直近の30年で急激に温度が上昇しています。

長期目標2℃ラインは、人間が自然と共存して生存できる限界のレベルとされています。

・海面上昇、高潮
・洪水、豪雨
・インフラの機能停止
・熱中症
・食糧不足
・水不足
・海洋生態系損失
・陸上生態系損失

など、様々な危機を迎えています。

「海の豊かさを守ろう」

ゴール:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

10個のターゲットのうち

『2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。』

『2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。』

現代では、世界中の魚などが取られすぎと言われていて、1970年と比較すると49%の量しか海洋生物がいません。

また、海にプラスチックのゴミなどが溜まってしまい問題になっていますが、2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)

「海のプラスチックの量は、2050年までには魚の量を上回る」

と発表されました。

「陸の豊かさを守ろう」

ゴール:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

12個のターゲットが設定されています。

『2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。』

『2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。』

『2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。』

が挙げられます。

私たちの生活に欠かせない森林、自然ですが、毎年1300万ヘクタール(東京都の59個分)の森林が失われています。

森林火災や森林の伐採が主な原因ですが、人間以外の生物にとっても非常に重要な森林が、どんどん失われています。

「平和と公正をすべての人に」

ゴール:持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、 すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

11個ターゲットのうち、具体的なものは以下になります。

『あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。』

『子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。』

『あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。』

現在世界中で約4人に1人の子どもたちが戦争や災害の影響を受けていると言われています。

そして、毎年600万人以上の子どもたちが災害や紛争に巻き込まれ、適切な医療を受けられずに亡くなっています。

「パートナーシップで目標を達成しよう」

ゴール:持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

19個ターゲットのうち、具体的なものは以下になります。

『課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する。』

『複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。』

『開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する。』

目標17は、今までの16の目標を包括して、達成するための最後の項目的な位置付けです。

SDGsの17の目標達成のために、企業や投資家間で行われているのがESG投資です。

ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略称です。
主に、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。

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まとめ


まとめです!

SDGsは17の目標により成り立っています。
それぞれ、社会課題を解決するためのゴールが設定されており、国や企業、個人の垣根を超えた協力体制、制度、文化の構築が必要になってきます。

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